この100年で90%の在来種が絶滅したという。食の工業化や大量生産に伴い、種の多くは大量生産に適するといわれる遺伝子組換え種子(GM)や一代雑種(F1)になり、大量生産に向かない在来種をつなぐ人たちが減ったからだ。一代雑種は、種を採り蒔いたとしても親と同じ特性の種にならないため、農家は毎年種を買い続けなくてはならない。遺伝子組換え種子もまた、巨大企業の契約に縛られているため農家が自由に種を採り、蒔くことはできない。
種は誰のものか。巨大企業を相手に、種の主権は自分たちにあると有機の種農家が訴える。そして絶滅の危機にあった在来種を蘇らせ、再び世に広める様々な取り組みを描いた作品。
原題の『Open Sesame』は直訳すると「開けゴマ!」。アリババが盗賊に盗まれた財宝を市民に取り戻すために宝が隠されていた洞窟を開ける呪文。作品の中で出てくる「開けゴマ」の運動は、巨大種子会社に独占された種を市民に取り戻す運動。