EU加盟を控えたルーマニアは2006年、それまで数十万ヘクタールで栽培されてきた遺伝子組み換え(GM)大豆を禁止し、非GM大豆へと一挙に「ユーターン」した。
消費者の遺伝子組み換え食品への懸念を背景に、EU委員会はGM作物の輸入を厳しく制限しているが、年間3千万トンの大豆を輸入。その多くがGM品種であり、畜産飼料として使われている。
こうした状況に、EU域内自給を目的とした非GM大豆栽培運動・ドナウ大豆が始まり、ドナウ川流域の10数か国で独自の栽培基準と講習会を通して農家を組織する。このドナウ大豆のルーマニア代表であるディマ氏は、元モンサント・ルーマニアの幹部だ。
ルーマニアの大規模で思い切った「ユーターン」と、モンサントから「ユーターン」したディマ氏を軸に、欧州の非遺伝子組み換え大豆栽培の状況と、欧州におけるNon-GMO食品認証の動きなどを追った作品。