「土地は誰のものか」―古くて新しい問題はいつの時代も人々の心をかきたててきた。
「この土地は俺のものだ」と王様、征服者、植民者らが力づくで土地を支配してきた。
農民は土に根を生やして抵抗し、血を流してきた。いま、支配者は大資本だ。
土地収奪の最先端にあるアフリカを舞台とする“耕す民”の抵抗と創造の物語に、三人の英雄が登場する。
カメルーンでは、ナサコ・ベシンギがアメリカ投資ファンドによるパーム農園プロジェクトの推進に歯止めをかける。エマニュエル・エロングは、世界各国の生産者同盟の代表として、フランス資本の巨大物流会社ボロレ・グループと直接交渉している。セネガルでも、プル族の家畜飼育者が世界のメディアに働きかけ、イタリア投資家との戦いを続けている。
彼らはその地に生きてきた人びとの歴史を踏まえ、その地の生態系・風土に沿った小さな農業のモデルと実践を武器に、莫大な資本と先端技術で武装した大規模企業農業と対峙する。
世界各地の映画祭で数々の映画賞に輝いたドキュメンタリー。